株式投資をする際に銘柄や業績の分析、テクニカル分析は欠かすことができませんが、調査や分析には時間がかかっていることも多いのではないでしょうか?
投資でより良い成果を上げるために、その企業の足元の業績を知ることはもちろん、過去の業績や競合との比較など様々な切り口で調査、分析するためには良い道具を使うことが必要不可欠です。
今回はファンダメンタルズ分析やテクニカル分析をするときに便利なツールや Web サービスをご紹介したいと思います。ご紹介するツールやサービスはすべて編集部で実際に使ってみたもので、使用感やメリット・デメリット、お得なキャンペーンなども合わせてご紹介します。
ぜひ最後までお付き合いください!
Webサービス
バフェットコード
バフェットコードは上場企業の業績や適時開示資料などを簡単に調べることができるサイトです。

調べたい銘柄の証券コードや企業名を入力して検索すると、下図のような企業や業績の詳細な情報を見ることができます。

銘柄のその日の株価や、PER、時価総額など基本的な情報はもちろん、一株益(EPS)や配当金、事業セグメント別の売上や利益の推移など、過去の業績と来期の業績予想が一目でわかるようになっています。

また、業績の分析に役に立つ決算短信にも簡単にアクセスできるようになっており、企業のホームページで IR 資料を探す手間を大きく減らすことができます。
後述しますが、無料プランでは決算短信をバフェットコード上で見ることができますが、決算説明資料などを見るには有料プランにする必要があります。

その他の機能として、他の企業と様々な項目を比較することもできます。
証券会社のスクリーニング画面などでいくつも企業の情報を開いていると、何度も画面を切り替えたりしなければならないので、一目でわかるようになるのは大きなメリットですね。株の割安感の指標となる PER は業界や上場している市場によって平均値が異なるので、同業他社との比較が簡単に行えると業界全体を俯瞰して分析できます。

上場企業の調査、分析だけでなく未上場企業の業績や調達額などの履歴も調べることができます。未上場のスタートアップ企業に投資したい投資家にとって重宝する機能ですが、後述するプレミアムプランでの登録が必要になります。

未上場企業へ投資するには、そうした企業とのコネクションがなければ難しいですが、FUNDINNO(ファンディーノ) というサービスでは未上場企業へ1口約10万円から投資することができます。
上場企業と異なり、未上場企業は業績や財務状況などが見えにくいので、このような機能は投資判断の助けになるでしょう。
料金プラン
バフェットコードは基本無料で利用できます。無料のユーザー登録をすることで、検索条件を増やしたり、企業の比較項目を増やすことができます。多くの銘柄を調査する投資家にとっては登録しておいて損はないでしょう。
有料プランにすると、更に項目や条件を増やした調査ができたり、業績をダウンロードできるようになるなど、活用の幅を広げたいときには有料プランを検討してみることをおすすめします。
無料 0円 | ライト 990円/月 | スタンダード 22,000円/月 | プレミアム お問い合わせ | |
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業績・指標3期 | 業績・指標7期 | 業績・指標17期 | 業績・指標17期 | |
条件検索 | 国内上場企業 検索項目120個 100企業まで表示 CSVエクスポート月10回 設定の保存 | 国内上場企業 検索項目120個 200企業まで表示 CSVエクスポート月20回 設定の保存 | 日米上場企業 検索項目200項目以上 500企業まで表示 CSVエクスポート月100回 設定の保存 | 日米上場/未上場企業 検索項目200項目以上 1000企業まで表示 CSVエクスポート月300回 設定の保存 |
企業比較 | 国内上場企業 200項目比較 100企業まで表示 CSVエクスポート月10回 設定の保存 | 国内上場企業 200項目比較 CSVエクスポート月20回 設定の保存 | 日米上場企業 全230項目比較 CSVエクスポート月100回 設定の保存 | 日米上場企業 全230項目比較 CSVエクスポート月300回 設定の保存 |
その他機能 | 資料検索の基本機能 業績CSVダウンロード 決算3本月10回 決算説明会資料の閲覧 お気に入り登録 取引履歴の管理 | フリープラン全機能+ 業績CSVダウンロード 決算5本月20回 | ライトプラン全機能+ 資料検索のキーワード検索 業績CSVダウンロード70四半期以上月100回 | スタンダードプラン全機能+ 業績CSVダウンロード70四半期以上月300回 スプレッドシートアドオンの利用 エクセルアドインの利用 |
注意点
米国株の調査をしたい場合は、スタンダード以上のプランにしなければなりません。米国株を中心にトレードしている場合は注意しましょう。
前述した未上場企業の業績などを知るには、最上位プランのプレミアムプランにしなければなりません。
株探
株探は企業の業績や開示情報を参照する事ができる以外にも、マーケットの動向や会員限定のコラムなどニュースにも特化しているサイトです。

銘柄の業績や企業情報といったファンダメンタル分析ができるだけでなく、簡易的なテクニカル分析もできるようになっていて、短期から中長期的なトレンドをざっくりとはんだんすることができます。ファンダメンタルとテクニカルでの銘柄調査を一つのサイトで多角的に行えることが大きなメリットです。
ファンダメンタル分析の面では過去の業績推移を確認したり、適時開示資料を参照できるので株探でも IR 資料を探す手間を大きく減らすことができます。

また、テーマごとに銘柄を調べることができるのも大きな特徴です。連続増益企業のランキングや上振れが期待できる銘柄の一覧、ゴールデンクロスを形成している銘柄の一覧など、有望な銘柄を簡単に探すことができます。

料金プラン
プレミアム会員登録をすることで米国株の調査や、専門家によるコラムを読むことができるようになります。

書籍や動画サイトなどで投資に関する情報が簡単に手に入るようになりましたが、マーケットのニュースだけでなく、専門家の実践的なノウハウも知りたい場合には登録を検討してみてはいかがでしょうか。
こちらのリンクから株探プレミアムを30日間お試しすることができるのでぜひご活用ください。
効率的・効果的な勉強方法や、それぞれの方法にどういった懸念点があるかなどはこちらの記事もご覧ください。

注意点
株探で表示されるチャートですが、20分ほど遅延したデータとなっています。これは、多くの取引所ではリアルタイムデータの配信には料金を課しているからなのですが、株探でリアルタイムデータを表示するには株探プレミアムにする必要があります。
IR BANK
IR BANKはファンダメンタル分析に特化したサイトで、業績の推移や決算速報などを簡単に調べることができます。

ファンダメンタル面でも特に、過去からの推移を簡単に調べることができるのが大きな特徴です。
株価や売上などの業績の推移だけでなく、PER の推移も調べることができます。PER はその銘柄が割安かどうかを判断することのできる指標で、上場企業の平均は15倍と言われています。
しかし、業種や市場によっては平均の PER は異なるため、同業他社の平均や過去の実績を元に、割安かどうかを判断することが必要です。また、PER はどの程度まで株価が上がるかの目安を算出することにも使えるので、多角的に PER を知ることができるのは大きなポイントです。

PER についてはこちらの記事でも詳しく解説しているのでぜひご覧ください。

また、PER をもとに実際に割安感があるかどうかを確認できるツールも公開しているのでぜひご活用ください。

料金プラン
IR BANK には料金プランは用意されていません。すべて無料で利用できます。
注意点

株価のチャートを見ることもできますが、簡易的なものなのでボリンジャーバンドや一目均衡表などを使ったテクニカル分析には向きません。
アプリ
カビュウ
カビュウは保有銘柄の管理や見える化ができるスマホアプリです。



カビュウを利用するときに証券会社の口座を紐づけることで、自動的に保有している銘柄の情報を取得して、ポートフォリオを作成してくれます。どの程度の損益があったかなど、グラフやヒートマップで見ることができます。

SBI証券や楽天証券、auカブコム証券など主要な証券会社に対応しているので、複数の証券会社を利用していてもカビュウで一括管理できるのも嬉しい点です。
料金プラン
カビュウは基本無料で利用することができますが、米国株の損益確認や複数口座を登録したり、過去に遡った取引履歴やそれをもとにしたグラフやヒートマップ生成には月額980円の有料プランの登録が必要です。

カビュウに新規会員登録をする際に、こちらの紹介コードを入力することでプライムプランを1ヶ月無料で利用することができます。1ヶ月お試しでプライムプランを使ってみて、無料プランにするかプライムプランを継続するかを検討してみてはいかがでしょうか。
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注意点
基本的には損益の推移やポートフォリオの変化などのデータを可視化するツールなので、2024/10/20現在では銘柄の詳細な分析ができるわけではありません。
また、複数口座のデータを一括で可視化できることが大きなメリットですが、その場合は有料プランの登録が必要になります。一つの口座しか持っていない場合は無料版で十分管理ができますが、無料版を使っていることによる制限(取引履歴は30日前まで、可視化は過去10日のデータをもとに生成)を受けてしまうことに注意が必要です。
Trading View
証券口座を開設すると利用できるトレーディングツール以外にも、高機能なトレーディングツールとして Trading View があります。Trading View は PC(Windows、Mac)・スマホアプリの他に、Webブラウザで利用することもできます。
お気に入り登録した銘柄や、表示しているインジケータやオシレータなどの情報が、アプリや Web上ですべて同期されるのが大きな特徴です。
インジケーターを表示する方法にはやや特徴があるツールですが、移動平均線や一目均衡表、MACD、ボリンジャーバンドなどの基本的なインジケーターはもちろん、他の投資家がカスタマイズして公開しているインジケーターを使うこともできます。
利用できるインジケーターの種類が非常に豊富なので、自身の投資スタイルに合ったインジケーターを見つけたり、独自にカスタマイズすることができます。



他のトレーディングツールであまり見ることがない機能としては、テクニカル分析だけでなくその銘柄のファンダメンタルについても様々な情報を Trading View の中で見ることができ、チャートにファンダメンタルの情報を表示させることもできます。
決算を控えていたり、その銘柄に関するニュースが発表されたときなどに、ファンダメンタルな要素がテクニカルにどのように影響するかを俯瞰して分析できるのでとても便利です。

ファンダメンタルについては業績や財務状況の推移や事業セグメントごとの売上といった詳細な情報を同じ画面から確認することができるので、効率的にテクニカル分析、ファンダメンタル分析をすることができます。




料金プラン
Trading View は基本無料で利用することができますが、無料プランの場合、表示できるチャートやインジケータの数などに制限があります。
おおよそのトレンドを掴んだり、有料プランにする前に使用感を確認する目的で使う分には無料プランで十分ですが、普段の分析やトレードで活用していく場合は、有料プランの利用を検討されるとよいでしょう。

注意点
非常に高機能でビジュアルも美しい Trading View ですがネックになるのはその値段です。
2024/10/19 のレートでは1ドル約149円なので、月次払いだと14.95ドル=2227.55円、年次払いだと155.40ドル=23,154.6円となります。証券口座を開設するとトレーディングツールは無料で使えるので、値段だけを見て比較すると、決して安い買い物ではない印象があります。
また、事業セグメントなどがところどころ英語表記だったり、金額の単位があまり馴染みのない K(千)、M(百万)、B(十億) で表示されるなど慣れが必要な点もあります。

株探などのチャートでも同様ですが、20分ほど遅延したデータとなっています。Trading View でリアルタイムのデータを利用するには月額料金に加え3ドルの追加オプションが必要になります。
そのため、リアルタイムの情報が重要となるデイトレードなどではオプションの購入も必要になってきます。
まとめ
今回ご紹介したツールやサービスはどれも高機能で、知りたい情報にすぐにアクセスできるので銘柄の調査や分析にかかる時間を大きく減らせたり、資産の状況をよりグラフィカルに把握することができます。
有料プランを用意しているツールでも無料プランやお試し期間を用意しているものも多く、実際に試してみて有料プランにするかを検討できることも嬉しい点です。しかし、無料プランは当然様々な制約があるので、メリットとデメリットをしっかりと勘案する必要があります。
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