キヤノンの1株あたり配当はいくらもらえる?今後の業績はどうなの?
こんな疑問、悩みに答えます。
本記事では「キヤノン株の配当情報が知りたい人」や「キヤノンの株を取得しようか迷っている人」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。
- キヤノンの1株あたり配当はいくらもらえるのか
- キヤノン株の配当金(中間&期末)はいつもらえるのか
- キヤノン株の配当性向・配当利回り・株主優待情報
- キヤノンの今後の業績
キヤノンの1株あたり配当はいくらもらえるのか?半導体不足やウクライナ危機などがキヤノンの今後の業績にどう影響するかなどを詳しく解説していきます。
キヤノンの企業概要
キヤノンの配当金や業績に触れる前に、キヤノンとはどんな会社なのかを改めて振り返りましょう。
企業概要
会社名 | キヤノン株式会社 |
---|---|
本社所在地 | 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 |
設立 | 1937年8月10日 |
資本金(連結) | 174,762百万円(2023年12月31日現在) |
従業員数(連結) | 169,151人(2023年12月31日現在) |
発行済株式の総数 | 1,333,763,464株 |
事業内容 | プリンティング事業(プリンター、商業印刷機) メディカル事業 イメージング事業 インダストリアル事業 その他の事業(材料・塗料、コンポーネント) |
事業セグメント
キヤノンの主要な事業は以下の4つに分かれています。
- プリンティング事業
- メディカル事業
- イメージング事業
- インダストリアル事業
プリンターや複合機、商業用の印刷機などの製造、販売を行うプリンティング事業が2023年12月期の売上全体の56%を占めています。次いでデジタルカメラなどのイメージング事業、メディカル事業、インダストリアル事業と続いています。
事業名 | 概要 |
---|---|
プリンティング事業 | 家庭用のインクジェットプリンターやオフィス向け複合機、印刷業界向けの大型印刷機や関連するソフトウェアなどの提供 |
メディカル事業 | MRI装置やCT装置、X線診断装置などの診断装置や関連機器の提供 |
イメージング事業 | 個人向けデジタルカメラ、映画やTV撮影向けのカメラ、レンズ、業務用ディスプレイなどの提供 |
インダストリアル事業 | 半導体露光装置や有機ELディスプレイ製造装置などの半導体・電子部品の製造装置などの提供 |
その他の事業 | 塗料や接着剤、センサーなど、既存事業のノウハウを元にした事業 |
キヤノンの業績
次にキヤノンの直近の業績と、過去10年に遡った株価推移を見ていきます。
2023年12月期の連結売上高は4兆1810億円、営業利益は3,754億円で営業利益率は9.0%となっています。
キヤノン株の好材料
2020年の秋以降、コロナ禍に関連して世界的な半導体不足が様々な業界に影響を及ぼしました。
半導体不足となった要因にはパンデミックによるサプライチェーンの混乱や、アメリカでの対中禁輸政策による中国からの半導体輸入が減少したこと、半導体製造に使われる希ガスやレアメタルなどがウクライナ危機によって供給や流通が不安定になったことなど、様々な要因が複雑に絡み合っています。
こうした半導体の需要に応えるように、半導体露光装置などの製造に関する機器を展開しているインダストリアル事業が大きく成長しています。
対前年比で、売上が21.7%増の3830億円、営業利益が23.4%増の723億円となっています。
また、半導体露光装置の製造や販売だけでなく、高い生産効率、高稼働率を維持するための運用サービスも展開しており、付加価値を高める要因となっています。
【2024年最新】キヤノンの1株あたり配当はいくら?
キヤノンの1株あたり配当はいくらもらえるのか?
結論からいうと、2024年12月期の1株あたり配当予想は「150円」です。
中間配当が「75円」、期末配当が「75円」
合計して1株当たりの年間配当金は「150円」を予想しています。
つまり、キヤノン100株保有で配当金は「15,000円」もらえることになります。
本情報は、2024年1月30日付けにリリースされた、決算短信から引用しています。
過去配当金額の推移
参考までに、キヤノンの過去配当金額の推移もみていきましょう。
キヤノンの1株当たり配当金 | 中間配当 | 期末配当 | 年間配当 |
---|---|---|---|
2024年12月期(予想) | 75円 | 75円 | 150円 |
2023年12月期 | 70円 | 70円 | 140円 |
2022年12月期 | 60円 | 60円 | 120円 |
2021年12月期 | 45円 | 55円 | 100円 |
2020年12月期 | 40円 | 40円 | 80円 |
2019年12月期 | 80円 | 80円 | 160円 |
2018年12月期 | 80円 | 80円 | 160円 |
上記の通り、減配した時期もあったようですが、前期(2023年12月期)に比べて、今期(2024年12月期)は10円の増配予定となっています。業績次第では配当金の額も増えるため、今後の決算にも注視したい銘柄です。
税引後の支払い金額
キヤノンの2024年12月期における1株当たり年間配当(予想)は150円です。
ただ、配当金には支払い時に税金がかかります。
税率は「20.315%(所得税・復興特別所得税15.315%、住民税5%)」
なので、税金を引いた税引後の支払い額は「11,953円(100株の場合)」となります。
キヤノン株の配当金(中間&期末)はいつもらえる?
では次に、キヤノン株の配当金(中間&期末)はいつもらえるのか?
結論からいうと、配当金をもらえるのは「8月下旬」と「3月下旬」の年2回です。
前述でも解説の通りでキヤノンの配当金は、年2回受け取れます。
「中間配当(6月30日)」と「期末配当(12月31日)」で実施された配当金を2~3ヶ月後に支払われます。
実際、過去に実施された配当の支払い開始予定日は以下の通り。
キヤノンの配当支払開始予定日 | 中間配当 | 期末配当 |
---|---|---|
2024年12月期 | – | – |
2023年12月期 | 2023年8月25日 | 2024年3月29日 |
2022年12月期 | 2022年8月26日 | 2023年3月31日 |
2021年12月期 | 2021年8月27日 | 2022年3月31日 |
2020年12月期 | 2020年8月27日 | 2021年3月31日 |
2019年12月期 | 2019年8月26日 | 2020年3月30日 |
2018年12月期 | 2018年8月27日 | 2019年3月29日 |
なので、配当金をもらえるのは「8月下旬」と「3月下旬」
配当の権利確定日
キヤノンの配当金の権利確定日は「6月30日」と「12月31日」
なんですが、12月決算会社の権利確定日には注意しましょう。
なぜなら、証券取引所で売買できる最終営業日(大納会)が権利確定日になるから。
つまり、キヤノンの期末配当の権利確定日は「2023年12月29日(金)」となります。
そして、権利確定日の2営業日前が「権利付き最終日」です。
権利付き最終日とは、株主がその銘柄を保有することで株主権利を得ることができる最終売買日のこと。
従って、配当金を受け取りたい場合は、権利付き最終日までに株を購入しておく必要があります。
キヤノンの今期配当金(2024年12月期)を受け取るには、「2024年6月26日」と「2024年12月26日」までに株を購入&保有している方が対象ということです。
配当金の支払開始日と支払日
キヤノンの配当金の支払開始日と支払日は前述の通り、権利確定日から数えて2~3ヶ月後になります。
キヤノンの株価情報(2024年)と配当性向・配当利回り
上記は、過去10年間におけるキヤノンの株価推移を示したチャートです。2015年初頭と2017年の年末から2018年の初頭にかけて形成した天井を抜け、足元では上昇傾向にあるのがわかります。
また、最新の見通しでも増収増益が予想されており、今後の業績にも期待できます。
売上高(億円) | 営業利益(億円) | |
---|---|---|
2022年12月期 | 40,314 | 3,534 |
2023年12月期 | 41,810 | 3,754 |
2024年12月期(予想) | 46,000 | 4,650 |
キヤノン株はいくらで買える?
2024年8月28日時点のキヤノンの株価は「5,014円」
出典:Yahoo!ファイナンス「キヤノン(株)」
つまり、キヤノン株の最低購入代金は「501,400円(5,014円×100株)」です。
※株式購入時には手数料がかかります。利用している証券会社によって手数料も異なるので注意。
キヤノン株の配当性向は高い?低い?
キヤノン株の配当性向(連結)は以下の通りです。
キヤノン株の配当性向 | 配当性向(連結) | 年間配当金 | 当期純利益(連結) |
---|---|---|---|
2024年12月期 | 48.6% | 150円 | 305,000百万円(*1) |
2023年12月期 | 52.6% | 140円 | 264,513百万円 |
2022年12月期 | 50.3% | 120円 | 243,961百万円 |
2021年12月期 | 48.7% | 100円 | 214,718百万円 |
2020年12月期 | 100.4% | 80円 | 83,318百万円 |
2019年12月期 | 136.2% | 160円 | 124,964百万円 |
2018年12月期 | 68.4% | 160円 | 252,441百万円 |
配当性向とは、会社が税引後の利益である当期純利益のうち、どれだけを配当金の支払いに向けたかを示す指標のこと。
日本企業の配当性向の平均は、30%程度といわれています。
そんな中、キヤノンの配当性向は、直近5年間の実績をみると50%を超える水準となっています。
非常に高い水準ではあるものの、100%を超える期もあり、将来性には慎重に判断したほうがいいでしょう。
なぜなら、減配する可能性は高いから。
さらに、内部留保のすべてを配当に充てる行為は、長期的には企業の成長を阻害しかねません。
配当狙いで参入を検討している方は、株価だけでなく業績も合わせて、動向には注意が必要です。
(*1)出典:キヤノン株式会社「2023年12月期 決算短信〔米国基準〕(連結)」
キヤノン株の配当利回りは良い?競合他社と比較
キヤノンの配当利回りは良いのかどうか?
企業単体で分析しても評価しづらいため、競合他社(精密機器業界)と比較してみます。
配当利回り比較表(2023年度) | 年間配当金 | 株価(期末日の終値) | 配当利回り |
---|---|---|---|
キヤノン(7751) | 120円 | 2,855.5円 | 4.20% |
セイコーエプソン(6724) | 72円 | 1,881円 | 3.83% |
リコー(7752) | 34円 | 991円 | 3.43% |
プライム全銘柄 | -円 | -円 | 2.20% |
キヤノンの配当利回りは『4.20%』
毎期3%後半~4%後半で推移しており、配当利回りは高い銘柄といえます。
実際、東証プライムに上場する企業の平均利回りは『2.20%』
比較しても、キヤノンの方が2ポイント以上高いのがわかります。
さらに、競合の精密機器大手と比較しても、キヤノンの方が高い水準となっています。
ですので、キヤノンは配当利回りが高い銘柄。
長期保有ではなく、配当狙いの銘柄を探している方は、ウォッチリストに入れておくのもいいかもしれません。
キヤノン(7751)の株主優待有無と優待利回り情報
結論、キヤノンに株主優待制度はありません。
キヤノンの公式サイトでは言及がないものの、各証券会社が株主優待情報はないことを掲載しています。
まとめ:キヤノン100株保有した場合の配当金と株価情報
キヤノン100株保有した場合の配当金と株価情報をまとめてきました。
改めて、キヤノンの配当金情報をまとめると、
- 2024年12月期の1株あたり配当予想は「150円」
- 100株保有で支払い額は「15,000円(税引後11,953円)」
- 配当金は年2回(中間と期末)受け取れる
- 配当金の受取時期は「8月下旬」と「3月下旬」
- 配当性向(連結)は「50%程度」と非常に高い水準
- 配当利回りは「4.20%」と競合他社と比較しても高い水準
- 株主優待制度はなし
2020年からの半導体不足に関連した豊富な需要に答えるように、インダストリアル事業が大きく成長しており、今期の業績の予想でも増収増益が予想されています。今後の業績を注目していきたい銘柄と言えます。
コメント