クボタの株価が下落した理由は?なぜ安い?10年後どうなるか将来性を教えてほしい!
こんな疑問、悩みに答えます。
本記事では「クボタ株の将来性が気になっている方」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。
- クボタの株価が下落した理由とその原因
- クボタと同業他社を業績・株価・配当性向から比較
- クボタ株は10年後どうなる?今後の買い時を将来性から考察
クボタの株価が下落した理由は何か?
そして、クボタの株価は今後どうなるのか?
クボタ株の購入を検討している方や株式投資のリスク分散したい方にとって、非常に気になる情報です。
気になるクボタの株価下落理由と今後どうなるか将来性について考察していきます。
結論、クボタの株価が下落した理由は「業績の低迷」
原材料価格の高騰や物流費の増加。
さらには、インセンティブ率の悪化により収益を圧迫。
結果、株価は下落。
先行き不透明感は強まり、長らく株価上昇局面を掴めずに終わっています。
クボタとはどんな会社?
クボタの株価が下落した理由に触れる前に。
はじめに、クボタとはどんな会社か?基本情報をまとめます。
社名 | 株式会社クボタ |
---|---|
本社所在地 | 大阪市浪速区敷津東一丁目2番47号 |
創業 | 1890年 |
従業員数 | 52,608人(2023年12月31日現在・連結) 14,638人(2023年12月31日現在・単独) |
資本金 | 841億円(2022年12月31日現在) |
発行済株式 | 1,181,076,846株 |
事業領域 | 農業ソリューション 水環境ソリューション 環境ソリューション |
業績
まずクボタの業績についてです。
出典: KUBOTA「主要財務データ」
事業内容
次にクボタの事業内容は以下の通りです。
- 農業
- 水環境
- エンジン
- 建設機械
- 精密機器・空調
- 素形材・鋼管
主力は「機械事業」
売上高の9割弱を占めるクボタの屋台骨です。
配当・株主還元
クボタの配当・株主還元についてです。
クボタの1株当たり配当金の推移は以下の通り。
クボタの1株当たり配当金 | 中間配当 | 期末配当 | 年間配当 |
---|---|---|---|
2024年12月期 | – | – | 未定 |
2023年12月期 | 24円 | 24円 | 48円 |
2022年12月期 | 22円 | 22円 | 44円 |
2021年12月期 | 21円 | 21円 | 42円 |
2020年12月期 | 17円 | 19円 | 36円 |
2019年12月期 | 17円 | 19円 | 36円 |
2018年12月期 | 16円 | 18円 | 34円 |
そして、株主優待制度はありません。
総還元性向40%以上を目標としており、50%を目指すとしています。
過去10年の株価推移
そしてクボタの過去10年の株価推移についてです。
足元では、株価は下落基調。
上値が非常に重い展開が続いています。
いつから下落局面入りしたのか?
見る限り、2021年5月につけた上場来高値(2,733円)から下落トレンドを形成しているのがわかります。
なぜ安い?クボタの株価が下落した3つの理由
クボタの過去10年の株価推移を示したチャートを再掲します。
足元では、株価は軟調気味です。
ですが、直近の値動きだけでなく、過去の相場をみても、下落局面は何度か経験しているのがわかります。
これらのタイミングで、クボタに何が起きたのか?
過去の下落理由を考察することは、今後の投資判断にも役立ちます。
ここからは、具体的なクボタの株価が下落した3つの理由について解説します。
【理由1】コスト増による業績停滞が懸念されたから
まず1つ目の理由が「コスト増による業績停滞が懸念されたから」
結論からいうと、株価の下落要因は、来期の業績見通しが嫌気されたから。
原因は、コストの増加による収益の圧迫懸念。
実際、決算をみると、業績の停滞を思わせる収益の鈍化が如実に表れる内容でした。
具体的には、2022年2月14日に2021年12月期決算を発表。
前期比で増収増益の好決算であり、営業利益に至っては40.5%増を記録しました。
ですが、来期の業績見通しは今期とほぼ横ばい。
営業利益の増加率はわずか1.5%に留まり、まったく伸びないことが示されていました。
結果、決算発表直後に株価は急落。
どれくらい株価は下落したのか?決算発表前後の株価推移を調べると以下の通り。
クボタ|株価推移 | 決算発表当日の終値 (2022年2月14日) | 決算発表当日の安値 (2022年2月15日) | 下落率 |
---|---|---|---|
株価 | 2,358円 | 2,051円 | -307円(13.02%安) |
わずか1日で、株価300円以上の下落。
下落率は実に13%と、市場がクボタの決算をネガティブに捉えたことがうかがえます。
ではなぜ、業績見通しは悪化するのか?
営業利益の増減要因をみると、以下のようなコスト増が報告されています。
- 原油、鋼材価格の高騰
- コンテナ不足による輸送コストの増加
- 脱炭素化に向けた投資の負担増加
つまり、株価を占ううえで重要なのは今後の見通し。
直近の実績ではなく、来年はどうなのか?増減要因まで考察する必要があるといえます。
【理由2】原材料価格上昇による業績の下方修正が嫌気されたから
次に2つ目の理由として「原材料価格上昇による業績の下方修正が嫌気されたから」
クボタは、国内を代表する産業機械メーカー。
特に農業機械の製造販売は、アジアでトップシェアを誇っています。
これら農業機械の製造には、部品や鋼材といった原材料が多く使われています。
その原材料の価格が急騰したことにより、クボタの業績は悪化。
利益予想は下振れし、期中で業績予想の下方修正を発表するまでに追い込まれました。
営業利益の修正額は△90億円。
業績下方修正の発表を受けて、株価も急落。
実際、どれくらい株価は下落したのか?推移を調べると以下の通り。
クボタ|株価推移 | 発表当日の終値 (2022年2月14日) | 発表翌日の安値 (2022年2月15日) | 下落率 |
---|---|---|---|
株価 | 1,834.5円 | 1,647.5円 | -187円(10.19%安) |
株価は、1日で10%以上の下落。
その後も業績見通しの悪化を嫌気され、株価は下落し続ける展開となりました。
【理由3】中・大型トラクタ需要の先行き不透明感が強まったから
そして3つ目の理由が「中・大型トラクタ需要の先行き不透明感が強まったから」
クボタの主力事業は、農業ソリューション。
特に、農業機械を開発し、世界の農業を支える事業を展開しています。
これら主力事業の核となるのが「トラクタ」
トラクタを扱う機械セグメントの売上高構成比は、実に8割を超えています。
言い換えれば、トラクタの需要が低迷すれば、業績も低迷するということ。
実際、過去に中・大型トラクタの需要が下振れ懸念が強まり、株価急落を招いた局面があります。
クボタ|株価推移(終値) | 2016年2月1日 | 2016年2月29日 | 下落率 |
---|---|---|---|
株価 | 1,810円 | 1,446.5円 | -363.5円(20.08%安) |
クボタと同業他社を業績・株価・配当性向から比較
ここまで、クボタのみにフォーカスし株価や事業の将来性を解説してきました。
ただ1社のみの分析では結果に偏りが生じます。
同業他社と比較・分析することで、結果の確度はより高まります。
ここでは、クボタと同業他社を業績・株価・配当性向から比較していきます。
農機メーカーの銘柄比較
まずクボタと農機メーカーの銘柄比較をまとめた表が以下の通り。
比較表(2023年12月期) | クボタ(6326) | 井関農機(6310) | やまびこ(6250) |
---|---|---|---|
売上高 | 3兆207億円 | 1,699億円 | 1,514億円 |
当期純利益 | 2,384億円 | 29百万円 | 90億円 |
営業利益率 | 10.89% | 1.33% | 9.40% |
自己資本比率 | 40.60% | 31.93% | 65.16% |
ROE (自己資本利益率) | 11.77% | 0.04% | 11.02% |
EPS (1株当たり純利益) | 201.74円 | 1.28円 | 218.96円 |
PER (株価収益率) | 10.52倍 | 844.53倍 | 6.83倍 |
PBR (株価純資産倍率) | 1.15倍 | 0.35倍 | 0.71倍 |
配当性向 | 23.8% | 2335.4% | 25.2% |
配当利回り | 2.26% | 2.78% | 3.68% |
【比較1】国内で農機具のトップシェアを誇る
まず競合と比較して「国内で農機具のトップシェアを誇る」
【比較2】営業利益率は10%超えと稼ぐ力も高い
さらに「営業利益率は10%超えと稼ぐ力も高い」
【比較3】配当利回りは2%前後と物足りなさあり
ただ投資家として気になるのは「配当利回りは2%前後と物足りなさあり」
クボタの配当利回りは、2.26%。
競合はいずれもクボタより高い水準となっています。
さらに、プライム市場に上場する企業の平均利回りは、2.2%前後。
比較しても、クボタの配当利回りは際立って高くはないことがわかります。
また、過去の利回り推移をみても2%前後となっています。
配当利回り|推移 | 2019年12月期 | 2020年12月期 | 2021年12月期 | 2022年12月期 | 2023年12月期 |
---|---|---|---|---|---|
クボタ | 2.09% | 1.60% | 1.64% | 2.42% | 2.26% |
クボタ株は10年後どうなる?今後の買い時を将来性から考察
ここまで、クボタの株価が下落した理由とその原因について解説してきました。
結論、株価下落の主因は業績の低迷。
原材料価格の高騰や物流費の増加。
さらには、インセンティブ率の悪化により収益を圧迫。
結果、先行き不透明感は強まり、長らく株価上昇局面を掴めずに終わっています。
このような状況下で、クボタの10年後の株価はどうなるのか?
今後買い時は訪れるのか?
クボタ株は10年後どうなる?今後の買い時を将来性から考察していきます。
【考察1】長期ビジョンのGMB2030実現なるか
まず外せないのが「長期ビジョンのGMB2030実現なるか」
【考察2】2025年の財務目標は売上高2兆3,000億円
次に具体的な数字として「2025年の財務目標は売上高2兆3,000億円」
【考察3】今後5年間の成長ドライバーの設定と推進
そして事業戦略の核となる「今後5年間の成長ドライバーの設定と推進」
- 北米/建設機械事業
- アセアン/機械事業
- 機械/アフターマーケット事業
- 水・環境/ソリューション事業
- 機械/インド事業の拡大とベーシック市場の参入
まとめ:クボタの株価下落理由と10年後どうなるか将来性から考察
クボタの株価下落理由と10年後どうなるか将来性から考察してきました。
改めて、クボタの株価が下落した理由をまとめると、
- コスト増による業績停滞が懸念されたから
- 原材料価格上昇による業績の下方修正が嫌気されたから
- 中・大型トラクタ需要の先行き不透明感が強まったから
コメント