レーザーテックの株価はなぜ下がる?今後株価はどうなる?将来性とリスク分散方法を教えてほしい!
こんな疑問、悩みに答えます。
本記事では「レーザーテック株の将来性が気になる方」や「株式だけでなくリスクを分散したい方」に向けて、以下の内容・目的で記事を書いていきます。
- レーザーテックの株価はなぜ下がるのか理由
- レーザーテックと同業他社を業績・株価・配当性向から比較
- レーザーテック株は今後どうなる?どこまで上がるか将来性から考察
なぜ、レーザーテックの株価は下がるのか?
そして、レーザーテックの株価は今後どうなるのか?
レーザーテック株の購入を検討している方や株式投資のリスク分散したい方にとって、非常に気になる情報です。
気になるレーザーテックの株価が下がる理由と今後どうなるか将来性について考察していきます。
結論、レーザーテックの株価が下落した理由は「外部要因による影響」
半導体市場の動向および政策金利の引き上げ。
これら市場環境の変化によって、レーザーテックの決算に影響を及ぼし、結果的に株安を招く恐れがあります。
つまり、レーザーテックの今後の株価を占ううえで、半導体市況を捉えることが何より重要。
レーザーテックとはどんな会社?
レーザーテックの株価が急落した理由に触れる前に。
はじめに、レーザーテックとはどんな会社か?基本情報をまとめます。
社名 | レーザーテック株式会社 |
---|---|
所在地 | 神奈川県横浜市港北区新横浜2-10-1 |
資本金 | 9億3,100万円(2023年6月30日現在) |
発行済株式 | 94,286,400株(2023年6月30日現在) |
事業内容 | 下記製品の開発・製造・販売・サービス ・半導体関連装置 ・FPD関連装置 ・レーザー顕微鏡 |
業績
まずレーザーテックの業績についてです。
2023年6月期の売上高は1,528億円。
前期比69.1%増と大幅増収を達成し、今期の予想についても増収を見込んでいます。
事業内容
次にレーザーテックの事業内容は以下の通りです。
- 半導体関連装置:
- マスクブランクス、フォトマスクおよびウェハの検査・計測装置
- FPD関連装置: FPDフォトマスクの欠陥検査装置
- レーザー顕微鏡: 高機能と多機能性を備えたハイブリッドレーザーマイクロスコープ
上記製品の開発・製造・販売・サービスを行っています。
配当・株主還元
レーザーテックの配当・株主還元についてです。
レーザーテックの1株当たり配当金 | 中間配当 | 期末配当 | 年間配当 |
---|---|---|---|
2024年6月期(予想) | 73円 | 110円 | 183円 |
2023年6月期 | 52円 | 128円 | 180円 |
2022年6月期 | 32円 | 65円 | 97円 |
2021年6月期 | 20円 | 55円 | 75円 |
2020年6月期 | 15.5円 | 27円 | 42.5円 |
2019年6月期 | 8円 | 15.5円 | 23.5円 |
株主優待は、現在実施していません。
過去10年の株価推移
そしてレーザーテックの過去10年の株価推移についてです。
2019年後半から2021年までの約2年半、長期にわたって上昇しているのがわかりますね。
非常にきれいに伸びてます。
上昇トレンドを掴んだ株価は、どれくらい上がったのか?単純計算すると約10倍。
まさに、レーザーテックはテンバガー銘柄(10倍株)。
勢いのある銘柄、でしたが、上場来高値更新後は急反落。
その後は、上場来高値を更新することなく軟調が続く相場展開となっています。
レーザーテックの株価はなぜ下がる?3つの下落理由
上図の通り、レーザーテックの過去10年間における株価チャートを再掲します。
ポイントでみると株価は急落しているのがわかります。
この時、レーザーテックに何が起きたのか?
なぜ、レーザーテックの株価は下がるのか?
下落した原因を考察することで、今後の投資戦略やリスク分散にも役立ちます。
ここから早速、レーザーテックの株価はなぜ下がるのか3つの下落理由について解説します。
【理由1】受注高予想の大幅な下方修正が嫌気されたから
まず1つ目の理由は「受注高予想の大幅な下方修正が嫌気されたから」
一言でいえば、決算の内容が嫌気されたから。
レーザーテックは、2023年1月31日に2023年6月期2Q決算を発表。
内容は、売上高が551億円で前年同期比49.2%増、当期純利益は135億円で前年同期比39.5%増となる好決算。
だったのですが、投資家が嫌気したのは「受注高予想」
決算資料によると、今期の受注高予想を1,800億円に修正したことを発表。
前回予想が3,000億円なので1,200億円減額、前期比は44.4%減と大幅な下方修正したことになります。
受注高とは、簡単に言えば将来入ってくる予定の金額。
この受注高が減少すれば、当然ながら今後の見通しとして、売上高の減収が予想されます。
本決算の発表を受けて、株価はどれくらい下がったのか?
レーザーテックの株価推移を示すと以下の通りで、1日のうちに14%近い急落を招きました。
レーザーテック|株価推移 | 決算発表当日の終値 | 決算発表翌日の終値 | 下落率 |
---|---|---|---|
株価 | 25,530円 | 22,020円 | -3,510円(13.7%安) |
たった1日で、3,510円マイナス。
つまり、レーザーテックの株価下落を招いた原因は「受注高予想の大幅な下方修正」
足元の決算が好調でも、今後の見通しはどうなのか?
先の将来に不安視されるような懸念材料があれば、株価は下がる事例の一つといえます。
【理由2】SOX指数の下落で国内半導体関連株に売りが波及したから
次に2つ目の理由が「SOX指数の下落で国内半導体関連株に売りが波及したから」
「SOX指数」とは、米国の半導体株指数のこと。
日本語で「フィラデルフィア半導体株指数」と呼び、米国の主要な半導体関連30銘柄で構成された株価指数を指します。
このSOX指数は、国内半導体関連株と連動性が高いとされています。
実際、SMBC日興証券の解説にも、「半導体企業の株価が上昇するとSOX指数も高くなる」とのこと。
米国の半導体株が安くなれば、日本の半導体関連株にも連れ安が起こりえるということです。
そんなSOX指数のチャートを示すと以下の通り。
レーザーテックの株価チャートと見比べても、同じような動きをしているのがわかります。
具体的な株価動向も確認しておきます。
2022年8月26日にエヌビディアを始めとする半導体株が売られ、SOX指数は急落。
急落の流れを受けて、レーザーテックの株価も連れ安。
前週末と比較して、1,140円(5.6%安)もの株価下落を招く結果となりました。
レーザーテック|株価推移 | 2022年8月26日の終値 | 2022年8月29日の終値 | 下落率 |
---|---|---|---|
株価 | 20,210円 | 19,070円 | -1,140円(5.6%安) |
つまり、レーザーテックの株価下落を招いた要因の一つが、SOX指数の下落。
レーザーテックの株価動向のみに注視するのは危険です。
SOX指数は、半導体業界の動向や先行きの見通しも反映されるため、半導体関連株を追ううえで欠かせない指数だといえます。
【理由3】政策金利の引き上げや割高感も相まって売り込まれたから
そして3つ目の理由が「政策金利の引き上げや割高感も相まって売り込まれたから」
最も気になる上場来高値後の急反落。
2022年に入ってからのレーザーテック株の急落は、様々な原因が考えらえます。
原因のうち、考えられる要因として「米国政策金利の引き上げ」および「割高感」が挙げられます。
まず、米国政策金利の引き上げについて。
下図は、米国政策金利の推移を示しており、2022年に入って急速に引き上げているのがわかります。
政策金利が上がれば、貸出金利の上昇による設備投資の縮小などを懸念し株価は下落します。
そして、レーザーテックは「半導体製造装置メーカー」です。
企業が設備投資に消極的となれば、レーザーテックの業績にも影響を与えることになります。
つまり、金利上昇を受けて、株価も下落したということ。
割高感も相まって、利益確定の売りが先行し、株価急落を招いたことが考えられます。
レーザーテックと同業他社を業績・株価・配当性向から比較
ここまで、レーザーテックのみにフォーカスし株価や事業の将来性を解説してきました。
ただ1社のみの分析では結果に偏りが生じます。
同業他社と比較・分析することで、結果の確度はより高まります。
ここでは、レーザーテックと同業他社を業績・株価・配当性向から比較していきます。
半導体関連株の銘柄比較
まずレーザーテックと半導体関連株の銘柄比較をまとめた表が以下の通り。
比較表 (決算年月) | レーザーテック|6920 (2023年6月) | 東京エレクトロン|8035 (2023年3月) | アドバンテスト|6857 (2023年3月) |
---|---|---|---|
売上高 | 1,528億円 | 2兆2,090億円 | 5,601億円 |
当期純利益 | 461億円 | 4,715億円 | 1,304億円 |
営業利益率 | 40.76% | 27.96% | 29.93% |
自己資本比率 | 40.18% | 68.68% | 61.43% |
ROE (自己資本利益率) | 50.77% | 32.27% | 39.32% |
EPS (1株当たり純利益) | 511.89円 | 1007.82円 | 174.35円 |
PER (株価収益率) | 42.15倍 | 15.92倍 | 17.44倍 |
PBR (株価純資産倍率) | 17.83倍 | 4.73倍 | 6.08倍 |
配当性向 | 35.2% | 56.6% | 19.4% |
配当利回り | 0.83% | 3.56% | 1.11% |
【比較1】営業利益率40%の高収益体質
まず競合比較からもわかるのは「営業利益率40%の高収益体質」
【比較2】ROEは50%を超える収益性に優れた事業
さらに目を見張るのは「ROEは50%を超える収益性に優れた事業」
【比較3】配当利回りは1%未満と長期保有には不向き
ただ懸念するのは「配当利回りが1%未満」
レーザーテックの配当利回りは、0.83%と1%未満。
競合と比較しても、低い水準。
東証プライムに上場する銘柄の平均も2.2%を示しており、低いのがわかります。
レーザーテック株は今後どうなる?どこまで上がるか将来性から考察
ここまで、レーザーテックの株価はなぜ下がるのか理由について解説してきました。
結論、主因となったのは外部要因。
なかでも、半導体市場の動向および政策金利の引き上げ。
これら市場環境の変化によって、レーザーテックの決算にも影響を及ぼし、結果的に株安を招く格好となりました。
つまり、レーザーテックの今後の株価を占ううえで、半導体市況を捉えることが何より重要。
レーザーテック株はどこまで上がるのか?
レーザーテック株は今後どうなるのか?半導体市場の将来性から考察していきます。
【考察1】世界の半導体市場は増加傾向にあり
まず確認したいのが「世界の半導体市場は増加傾向にあり」
世界の半導体市場は、増加傾向にあります。
2015年以降から顕著に増加しており、総務省の調べで2022年には、12兆5,493億円(前年比32.1%増)となりました。
世界だけでなく、国内だけでみても、半導体市場(出荷額)は活況を呈します。
つまり、今後も成長余地があるのが半導体市場。
半導体関連銘柄の一角を担うレーザーテックも恩恵を受けるのは言うまでもありません。
【考察2】今後の半導体市場成長を牽引するのは生成AI?
さらに目が離せないのは「今後の半導体市場成長を牽引するのは生成AI?」
【考察3】需要は高まるものの懸念されるのは半導体不足
ただし、「需要は高まるものの懸念されるのは半導体不足」
まとめ:レーザーテックの株価はなぜ下がるのか理由と今後について考察
レーザーテックの株価はなぜ下がるのか理由と今後について考察してきました。
改めて、レーザーテックの株価が下落した理由をまとめると、
- 受注高予想の大幅な下方修正が嫌気されたから
- SOX指数の下落で国内半導体関連株に売りが波及したから
- 政策金利の引き上げや割高感も相まって売り込まれたから
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